携帯事業参入により経営悪化の一途を辿る楽天。ここ最近、多くの事業でポイント還元率が次々改悪されている。ついにその手は聖域となっていた投信積立の還元率にまで及ぶことになった。ただ楽天キャッシュを間にかますことで還元率0.5%までは維持できる。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
今まで投資信託の積立購入を目的とする証券口座は楽天証券一択だった
今までは年会費無料の楽天カードを発行して、楽天カードで投資信託を購入すると月5万円まで1%の楽天ポイントの還元を受けることができた。これは業界でも断トツの還元率だった。期間限定のキャンペーンで他の証券口座がこの還元率を上回ることはあっても、常時こんな還元をしている証券口座は他にない。積立NISAとの相性の良さ、楽天ポイントの使い勝手の良さから個人で積立を始めるなら楽天証券が鉄板だった。
2022年9月の買付分より還元率1%→0.2%に
公式発表によると、2022年9月の買付分より還元率1%→0.2%になる。
楽天はポイント還元率の改悪が続いている
楽天のポイント還元率の改悪は今に始まったことではない。
- 2020年4月 :楽天モバイル契約者SPU還元率2倍→1倍に
- 2021年1月 :楽天カード超簡単保険月払いが終了、SPUの対象外に
- 2021年4月 :楽天ゴールドカードの楽天市場利用SPU還元率4倍→2倍に
- 2021年6月 :楽天でんきがSPU対象外に
- 2021年11月 :楽天ビューティのSPU還元率1倍→0.5倍に
※SPU・・・スーパーポイントプログラムの略。楽天のサービスを使うことで楽天市場での買い物のポイント還元率が上がる仕組み
一時期、楽天経済圏にどっぷりつかっていた自分は、SPUだけで15%近くポイントが還元されていた。今は10%を下回っている。
楽天キャッシュを間にかますことで還元率0.5%に維持可能
2022年6月下旬より楽天キャッシュで投信積立金額の決済が可能になる。楽天キャッシュとは楽天が運営するオンライン電子マネーで、楽天カードからチャージ可能。この際0.5%分のポイント還元を受けることができる。つまり楽天カード→楽天キャッシュ→投信積立金額決済といった手順を踏めば0.2%まで落ちる還元率を0.5%まで留めることができる。
還元率低下にみる楽天の狙い
顧客囲い込み作戦の終了
今までは投信積立をするなら楽天証券一択だった。これにより楽天証券は大きなシェアを獲得したはず。一度、証券口座を開設して運用を始めたあとで、他の証券口座に変えるのは手続きがかなり面倒だから、還元率が下がっても多くの人はそのまま楽天証券を使うはず。多分、自分もその一人。完全に戦略にはまっている。
楽天キャッシュを普及させたい
今回、還元率改悪の発表と同時に「楽天キャッシュを使えば0.2%の還元率を0.5%までに留めることができまよ」というアナウンスをして、すでに楽天証券で投信の積立をしている顧客に対してあからさまに楽天キャッシュを導入するよう誘導している。ここに楽天キャッシュを普及させたいという楽天の意図が読み取れる。というのは楽天キャッシュは今までその存在を知る人は、ほとんどいないんじゃないかというくらい空気だったんだ。だって楽天の電子マネーにはすでに楽天Edyがあるし、楽天キャッシュなんてはっきり言って必要ない。楽天は普及させたいみたいだけど、多分普及しないと思う。
楽天は金がない
冒頭でも書いたけど、楽天は携帯事業に対する莫大な投資でマジで金がない。2020年度には10億円を超える赤字を計上している。今は顧客の流出とか長期的な影響を考えている余裕がないのかもしれない。
楽天証券に変わる証券口座を検討する
ただ、そもそも投資信託を買ってポイントが還元されること自体が画期的だったわけで、他にそんなサービスをしている証券会社があるのって話。
実はないことはないんだ。
SBI証券+三井住友カード
SBI証券の投信積立を三井住友カードで決済すると毎月5万円まで0.5%Vポイントで還元される。Vポイントは三井住友カードの支払額の減額に使えるから使い道で困ることはない。ここまでは今回改悪した楽天と同じ還元率。ただ上位グレードのクレジットカードだとさらに還元率が上がる。
2%還元
- 三井住友カード プラチナ Visa/Mastercard
- 三井住友カード プラチナ PA-TYPE Visa/Mastercard
- 三井住友ビジネスプラチナカード for Owners(Visa/Mastercard)
- 三井住友カード プラチナプリファード
1%還元
- 三井住友カード ゴールド Visa/Mastercard
- 三井住友カード ゴールド PA-TYPE Visa/Mastercard
- 三井住友カード ゴールド(NL) Visa/Mastercard
- 三井住友カード プライムゴールドVisa/Mastercard
- 三井住友カードゴールドVISA(SMBC)
- 三井住友カードプライムゴールドVISA(SMBC)
- 三井住友カード ビジネスオーナーズ ゴールド Visa/Mastercard
- 三井住友ビジネスゴールドカード for Owners(Visa/Mastercard)
- 三井住友銀行キャッシュカード一体型カード (ゴールド/プライムゴールド)
どれも年会費が有料だから積立のために、わざわざカードを作るのは本末転倒。ただ、上記のカードを保有しているならSBI証券に移行した方が得策だ。
マネックス証券+マネックスカード
2022年2月よりマネックス証券の投信積立をマネックスカードで決済すると毎月5万円まで1%マネックスポイントで還元される。マネックスポイントはdポイントやTポイント、アマゾンギフト券と交換可能。これは今回改悪された楽天証券の還元率を超える還元率。
楽天証券を使っている自分は取り合えず様子見
とはいえ、やっぱり運用している証券口座を変更するのはかなり面倒。楽天キャッシュを使えば一時的なキャンペーンではあるけど、2022年12月まで1%の還元率を維持できるから、自分は今年一杯は様子見する。
これから新規で投信積立する人は
三井住友カードの上位グレードのクレジットカードを持っている人→SBI証券+三井住友カード
それ以外の人→マネックス証券+マネックスカード
が今のところ最適解っぽい。
コメントを残す