2022年5月、いわゆる中小企業【※】から東証プライム市場にも上場している大企業に転職することができた。
会社が変わることによって給与は大きく上がり、仕事の幅や裁量権も大きくなった。
“転職に成功した”と言って良いと思う。
この記事ではなぜ自分の転職が上手く行ったのかを分析する。
これから転職を考えている人、これから就活を控えている大学生の参考にしてほしい。
※厳密には従業員300人程度、資本金も10億円を超えている会社だったので中小企業ではないが、事業規模がそこまで大きくない会社という意味で中小企業と記載した。
中小企業から大企業へ転職してみて感じた違いは以下の記事を参照。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
転職は必要とされるスキルを持っているかどうかが全て
結論から言うと自分が転職できた理由は今の会社が必要とするスキルを持った人材に当てはまったから。
具体的には【給与計算に関する一通りの知識】と【今の会社が導入しようとしている人事・給与システムの導入・運用経験】があったから。
多分決めてとしては後者が大きかったのだと思う。
中途採用の面接は新卒採用の面接とは全く違う。
志望理由や熱意なんてものはほとんど聞かれない。
まず企業側にやってもらいたい仕事があって、面接は応募者がその仕事ができるかどうかの確認作業に終始する。
そのため、これまでの業務経験とそのエビデンス(資格や知識)を問われる。
ただ淡々と質問を通して、今の自分に何が出来て何が出来ないのかを確認される。
就活のときは会社の志望度を伝えるために応募する会社の企業研究を念入りにする必要があったし、自身がどれだけのポテンシャルを持っているかをアピールするために自己分析やガクチカを準備する必要があった。聞かれる質問内容や面接官との相性によって”上手く行ったり上手くいかなかったり”した。
正直言って、自分はそこまで頭の回転が早い方ではないし、熱意や人柄をアピールできるほどのプレゼンテーションスキルも持っていない。おそらく新卒でこの会社を受けたとしても採用されることはなかったと思う。
たまたま今回、会社としてやって欲しい業務を即戦力でこなせる人材に当てはまったというだけの話。
転職できるスキルを身につけられるかどうかは結局のところ運
つまり転職するためには、他社でも通用する業務経験を今現在の会社で積むことができているかどうか。これに尽きる。
そしてバックオフィスの場合、新卒で入った会社でそういった経験を積める部署に配属されるかどうかは、はっきり言って運だ。
何の業務経験もない新卒をどの部署に配属するかを決めるのは会社。本人の選択権はほとんどない。
自分の前職では、事務職の多くが【管理部】という現場に配属される社員の住まいの手配や、現場=生産部門のバックアップを担当する部門に配属されていた。自分のように人事部や経理部のような他社でも通用するような業務経験を積める部署に配属される社員はほんの一握りであった。
もし就活で上手くいかなくて将来的に転職を考えているなら、現在の会社で市場価値が高そうな部署あるいは業務をいち早く見極めて、積極的にその仕事をさせてもらえるようアピールすることが大切。
業務時間外にそう言ったスキルを身に付けるのはとても難しい。また業務を通してしか身に付けられないスキルも多々あって、そういうスキルこそ企業が必要する市場価値の高いスキルだったりする。
業務時間外のスキルアップや資格勉強は決して無駄ではない
転職にあたって業務経験が何より大切なのは間違いない。
でも業務時間外のスキルアップが無意味かと言うと決してそうは思わない。
よく実務経験が全てで資格なんてとっても意味ないよと言う人がいるがそんなことはないと思う。
例えば「自分は人事の仕事ができます!」と口だけで言うよりも、社労士の資格を持っている人の方が説得力があるし、英語を使う仕事をしたことがない人でもTOEICの点数が900点を超えていれば、英語力を証明することができる。
転職後の会社でも実務経験がないにも関わらず税理士の資格を持っているために経理部門に採用された人がいるし、弁護士の資格を持っているために法務部門に採用された人がいる。
ただ、ここまで読んだらわかる通り、転職市場で評価される資格というのはハードルがとても高い。それなりの給与水準の会社の総合職で業務経験がほとんどないにも関わらず、採用されるためには上記に挙げたような水準の資格が必要とされる。
資格で一発逆転を狙うよりかは社内で市場価値の高い仕事を任せてもらう部門へ異動願いを出したり、まずはステップアップとしてそのような仕事を任せてもらえる会社へ転職する方がよほど再現性が高いように思う。
繰り返すが資格の勉強の意味がないとは決して思わない。自分自身、社労士の勉強を通して必要な業務知識を得ることができたため、大きな財産になっている。
転職するならエージェント登録は必須
いざ転職しようと決めたらまずは転職エージェントに登録すべき。
その理由は大きく3つ
非公開求人に応募できる
もし自身が何らかのスキルを持っていて、キャリアアップあるいは年収アップを目的として転職をしようとしているなら絶対に転職エージェントに登録した方がいい。
大企業や高年収の魅力的な求人は、多くの場合、非公開求人として募集している可能性が高い。
人気の企業や職種の場合、求人を掛けると応募が殺到する。中途採用で募集を掛ける場合、急な退職や異動の欠員を埋めるために行われることが多く、選考に時間を掛ける余裕がないケースが多い。
そのため魅力的な求人ほど転職エージェントに登録しないと求人を出していることすら知ることができない非公開求人になっていることが多い。
転職エージェントに登録した方が効率がいい
転職を始めた当初は、検索を掛けて、興味のある求人を行っている会社の公式サイトから直接応募していた。
転職エージェントを介して入社した場合、企業は掲示した年収の20%〜30%を報酬として得ることができる。つまりそれだけ採用コストが掛かるのだから内定が出づらくなるだろうと考えていた。実際、前職でも「直接応募してくれたら考えたけどな」というようなことを人事部長がつぶやいていたのを聞いたことがあった。
だが実際に転職活動を続けていくと想像以上に労力が掛かることがわかった。新卒就活のときと違って、社会人が使える時間は限られている。仕事の合間を縫って、応募する求人を探し、1社ずつ履歴書を作成し、採用担当者と時間調整等のやり取りをするのは思っているよりも大変だった。
転職エージェントに登録すると、専用の検索エンジンを使えるので効率的に求人を確認することができるし、各企業の担当エージェントが自分の記入した経歴と募集している求人の親和性が高いと判断した場合、直接求人を紹介してくれることもある。
履歴書も汎用的なものを1つ作成するだけで、エージェントが直接、企業の担当者に自身のことを紹介してくれるし、面接まで進んだ場合、日程調整も行なってくれる。
転職エージェントに登録した後は、全ての応募をエージェントを介して行なった。
また新しい会社に入ってから気づいたことだが、大企業の場合、中小企業とは予算の規模も全く違うのでエージェントに支払う報酬よりも採用効率の方がよほど重要らしい。エージェントに支払う報酬を惜しんで応募者の採用を見送るなんてことはまずない。
転職エージェントに登録することで市場価値の高いスキルがわかる
転職エージェントで掲載されている求人には企業が求めている経験や資格が記載されている。
これを確認することでバックオフィスにおいて市場価値の高いスキルは何かを知ることができる。
自分自身、今のところ転職の予定はないが、今も転職エージェントには引き続き登録していて、自身の専門領域でどのようなスキルの市場価値が高いのかを分析している。
それによると今の会社よりも給与水準が高い会社はコンサルタント会社や商社、あるいは海外に資本を持っている会社であることがわかり、それらの求人の多くは英語をビジネスレベルで使えることを必須としているため、英語の勉強に力を入れている。
転職は思ったより時間が掛かる
転職活動を本格的に始めたのが2021年8月ごろで、今の会社の内定が出たのが翌年の3月。
その間、応募した企業の数が11社で面接まで進んだのが今の会社を含めて6社。
結構早くに決まった方だと思う。それでも半年以上の時間が掛かった。
前職が時間に余裕のある仕事だったから面接の調整はスムーズに行ったけど、忙しければもっと時間は掛かったと思う。
全てオンライン面接だったからこれでもかなり楽になったんだろうけど、思っていたより時間も手間も掛かった。
若さは最大の市場価値
当たり前だけど、年齢が上がればそれだけ転職のハードルは上がる。
今やっている仕事で得られる経験が市場価値の高いものであれば、タイミングを待つのもありかもしれないけど、同じスキルセットで比較すれば時間が経てば経つほど自身の市場価値は下がる。
転職のハードルは思っている以上に低い
これからの時代、一度入った会社に定年まで勤めることは少数派になる。
今はどこも人手不足。たとえ今の会社の給与に満足していなかったとしても、転職して給与を上げるチャンスは全然ある。
そのためには市場価値の高いスキルを習得できるかどうかが鍵だ。
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